見えないものの重要性

仕事の「見える化」99のしかけ

仕事の「見える化」99のしかけ

仕事の「見える化」 99のしかけ
著者:松井順一 他
出版社:日本能率協会マネジメントセンター
分類:ビジネス
「目次」
第1章 まずは、正しく「見える化」を理解する
第2章 さて、何を「見える化」する?
第3章 「見える化」の実践5ステップ
第4章 組織・体制を「見える化」するしかけ
第5章 プロセスを「見える化」するしかけ
第6章 仕事環境を「見える化」するしかけ
第7章 仕事を「見える化」するしかけ
第8章 管理・改善を「見える化」するしかけ
「概要」
仕事で発生する問題の真の原因は、見えない中に潜んでいる。見えない原因を追求するためのツールフォーマット集。
「書評」
P22.
完了してしまった“結果のデータ”を得るのはたやすいですが、完了前の途中段階での“事実のデータ”を得ることは意外と難しいのです。ですから、多くの組織は、データの得やすい過去の事実から未来を予測して、計画し、その計画に従って現在の事実を見ないままに行動するというスタイルで仕事をしています。
 「見える化」は、いまこの瞬間、現在の事実を見えるようにして、確実に良い結果が得られるように調整を繰り返していくことです。結果から次の計画を立てることを繰り返すマネジメントではなく、現在の事実からいまの行動を調整することを繰り返すマネジメントをめざすものです。
 
「見えるもの」は理解しやすく、人に理解してもらえやすい。「見えないもの」は理解しにくく、人に理解してもらえにくい。「見えないもの」を考えることは、苛酷な作業である。しかし、「見えないもの」は重要であることが多い。人の心、やる気は見えないが、個人の能力を発揮する上で大きく影響する。
組織を改善するためには、個人に対するインプット、アウトプットの量、質を高めていく必要がある。それを評価するためには、結果だけではなく途中のプロセスを把握する必要がある。プロセスを見えるようにすることは労力がかかる。分析し、把握できるようにするために「見える化」しないといけない。個人にとって「見える化」する作業は余分な作業のように思う。その作業が、いつ、どのように自分にとってのメリットに繋がるかわからないからである。
目の前にある作業をこなすことのほうが、周囲から仕事をしていることが理解されやすく、自分自身も仕事をしている実感を得られる。ある意味、楽だからだ。
しかし、本来目指すべきかたちは、個人の知恵、暗黙知を共有することが組織知となり、組織の改善に繋がり、個人にメリットがもたらされるという巡回を生み出すことである。

「習慣化」
使う場面:組織の改善を検討するとき
チェック項目:□見えない作業を見えるようにするしかけを検討したか。