「ものがわかる」ということ

その28
 「史上最強の人生戦略マニュアル」(フィリップ・マグロー=著,勝間和代=訳)は目から鱗的な内容であったため,自分を高めることに役立てることができるように,自分なりの解釈をまとめたい。
 「ものがわかっているかいないか」のものがわかるようになるためには,技能を習得し,ルールを理解し,計画性をもった行動が必要である。自分の思考・行動を振り返ってみると,ものがわかっているとは言い難い。自分の正当性を主張することだけに固執し,受け入れられなければ他人を非難しあきらめる。または開き直るという行動にでてしまう。この幼稚な思考・行動から抜け出すための知恵を身につけたい。自分の望む結果を得ることに注力したい。
 ここでいう「ルール」は,①人間の心理・行動,②組織の論理の大きく二つ分類できると思う。①の分類は「人間はうまくいくことをする」「人間は報酬が得られるように行動する」「目先の報酬を好む」「目に見える報酬を好む」,②では「組織人は明確な方針に従う」「方針は頻繁に変わらない」「長が変われば方針も変わる」「ルールを守らない者はペナルティを受ける」と様々あると思う。観察する目を養い,根気よく分析し続けなければならない。
 しかし,人間の心理・行動は複雑で単純ではない。人情の機微を察する天才と言われた豊臣秀吉でさえ,心の動きの奥深さを恐れ,自らの口がもたらす災いを避けることができなかった。他人の心理・行動を推察することも重要だが,自分の心の奥を深く突き詰めることで,理解する手がかりを得られるかもしれない。
 知は目の如し,百歩の外を見て睫を見るに能わず「韓非子
(目は遠くを見ることはできてもまつ毛はみることはできない。同じように,他人の欠点は目についても,自分の欠点には気がつかない。)

史上最強の人生戦略マニュアル

史上最強の人生戦略マニュアル