自分が求めているものを知る。

その36
 求めているものは何かと問われたとき,自分自身で真剣に深く突き詰めて考えた経験がないことに気づく。誰かの指示に従うことに慣らされている。まわりの雰囲気や,他人の考えに流されている。
 自分の求めているものを考えてみると,物や出来事ではなく,それを手に入れたときの安心感,優越感という感情である。
 高貴な人の求めるものは違う。自らを犠牲にしても公に尽くす。自分の使命と正面から向き合い,使命を果たすために自分を捨てられる。無償の愛を提供できる。
 自分が求めていくべきものは,自分自身を高め,自分のことではなく身近な周囲の人々のために尽くしていることであると思う。「公に尽くす」までには至らないが,安心感,優越感という保守的で安直な感情ではなく,「尽くす」ことによる充実感,高揚感を求めていきたい。
 「人は,自分自身のために生きるより,他人のために生きるほうが,満足が大きいのだ。」ヘッセ