溜め
その68
この本では貧困の自己責任を批判し、「溜め」のある社会をいかにつくるかを語っている。「溜め」には、人間関係の「溜め」、金銭の「溜め」、精神的な「溜め」などいろいろある。
「溜め」という言葉がいろいろな問題と繋がる。
今の日本ではいろいろな「溜め」がなくなってきている。
昔の日本に「溜め」ができたのは、すぐに結果を求めなかったし、求められなかったからであろう。日本の多くの企業は生き残りをかけて、グローバル化を進めている。グローバル化を進めることは、すぐに結果を求められるということと直結する。
しかし、目先の短期的な結果は、長期の勝利を保証するものではない。永く続くものでなければ本物にはなれない。忘れかけている「溜め」の中に本物になるヒントがあるように思えてならない。
目先の報酬に負けないために
その66
人間は弱く目先の報酬に負けてしまう。合理的な選択ができず自滅的な選択を行ってしまう。誘惑に負けるのは、遠くの長期的な大きな報酬よりも、近くの短期的な小さい誘惑は一時的に大きく見えるためだ。目先の報酬に負けないためのポイントは2つある。
「現時点では遠くの報酬を割り引いて評価してしまう」という習性を認識する。(双曲割引)
遠くの報酬は近くの報酬より小さく見えるため、報酬を足し合わせて大きく描く。
- 作者: ジョージ・エインズリー,山形浩生
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2006/08/30
- メディア: 単行本
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我慢する
その65
プロフェッショナル 第132回 2010年1月5日放送
命の農場で、土に生きる。農家・金子美登
この番組を見て自分の甘さを痛感した。
努力が簡単に報われると思っている。成果が出ないとすぐに落胆、失望しやる気をなくす。報われないことは自分以外のせいにして、言い訳を考える。
現実は厳しく、簡単に成果はでない。勝ち抜いていくことも簡単ではない。自分の力ではどうしようもないことも多い。
そんな状況の中で、考えに考え抜いて実行しているか、我慢をしているかを常に自分に問いたい。
「ベストを尽くして、我慢する」
「困難こそ楽しめ」
実践してきた人からにじみでてきた重く、説得力のある言葉であった。
努力が報われるうちに
その64
教育の目的は、社会で立派に生きていける力を子供につけるためである。
小学生の息子はこのことを理解できていない。親に言われれば、机に向かい宿題をするが、自主的に勉強をすることがない。親や先生に言われるから渋々勉強するという状態から抜け出せない。息子は、テレビやゲーム等の目先の快楽に負けるし、見ていなければさぼる。「社会で立派に生きていける力を身につける」ことがいかに大切で、また努力が必要かを、手を変え、品を変え粘り強く教え続けるしかない。努力が報われる時期は永くない
言葉の力
その63
最近、仕事での打合せをICレコーダーに録音し、聞くようにしている。自分の声を聞くことに抵抗がある。恥ずかしい。自分の声、話し方が好きになれない。言葉に説得力がない。自分が客観的に後から録音したものを聞くと、この話し方と内容では理解できていないだろうと思ってしまう。無意識のうちに同じことを何回も早口で話したり、突然、違う話題に話するという悪い癖もある。
頭の中を整理し、相手の立場にたって、ゆっくりと、丁寧に話すように心掛けたい。自分を客観視することは大事であるし、言葉の力は大きいと思う。
チャンスを摑め
その62
チャンスはこれがチャンスだとはっきりわかるものと、そうでないものがある。普通のサラリーマンにとってこれがチャンスだと意識できる仕事は少ない。たとえ重要なプロジェクトの責任者を任され、うまくいったとしても格段に評価が上がるということはまれであろう。評価はその人の普段の仕事ぶりでされていることが多い。
今までの人生を振り返ってみてチャンスはどんなものであったかを考えてみると、嫌なこと、不幸なこと、苦しいことであったように思う。試練こそが自分を成長させ次の高みに上がれるチャンスだと思う。逃げること、止めることは簡単である。試練としっかり向き合って乗り越えてこそ人間は成長できると思う。
人の世には潮があって
満潮に乗り出せば 幸運をもたらし
無視すればその航海はすべて
浅瀬に乗り上げ不幸に終わる
シェィクスピア「ジュリアス・シーザー」