マネー

その9

 日本ではお金の運用に関する教育を行わないためか、一般的に金融に関する知識が乏しい。私自身もそのような教育を受けたこともないし、子供の頃から「金融商品を買う(元本割れの可能性があるもの)=博打(一部の金持ちがすること)」というイメージを刷り込まれてきたように思う。

 お金は大事にしたい。安全においておきたい。しかし、あえて投資したいと思う。まず手始めに投資信託を購入することを考えてみる。
投資信託を買うことで、自分のお金がどうなっているのかを観察する。どうすれば安全かつ効率よく運用できるかを考える。購入した商品(投資信託)の仕組みや運用方針を理解し、その基準価格や純資産がどうなっているかをウォッチする。基準価格や純資産の変動には何が影響しているかを分析する。分析するためには、経済、金融、経営、会計、税金、年金、世界情勢世など様々なことを知ろうとする。今の世の中がどうなっていて、今後どうなっていくかを考える。
 投資することをトリガーにこのプロセス(世の中のことを広い視野で勉強すること)を習慣化していきたい。

 しかしながら、まず、お金を増やすことが第一の目的である。お金の運用に関する本を何冊か読む中で、意外でかつ重要なポイントだと思ったのは次の点である。①リスクとリターンの関係を理解する。(リスクとは一般的な危険という意味でない)②最適なポートフォリオを追求しコントロールする。(いつ何を買うかではない)③精神的なコントロールが重要である。(過剰な欲をださず、やる、やめる条件を明確にきめておく。)
「株価、為替の変動はわからない」といってしまえばそれまでだが、なぜ上がったか、下がったかを思考することで、いろいろなことが理解できると思っている。お金が増えた、減ったと一喜一憂しないことを心掛けたい。

 お金を銀行に預けておくだけなら簡単。だれでもできる。失うものはないが、得るものもない。投資は失うこともあるが、得られるものがある。いや得られるものは大きい。

「神は行動せざるものを決して助けず。」 ソフォクレス