文章力(技術編)

その14

 読み手が正確に理解し,納得いく文章を書くことは難しい。しかし,訓練を積むことで身につくと思う。わかりやすい文章を書くためのポイントをまとめてみた。

<読み手の脳内関所の作業を軽くする>
①脳内辞書 何の分野の話か明確にする。
②情報分解 処理できるかたまりにする。
③情報整理 無駄をなくす。同類をまとめる。構造を単純化する。
④情報の論理性 点の理解と線の理解をさせる。

<技術を駆使する>
①構造の技術 重要ポイントを並べる。要点を先,詳細は後。不要な情報は削除する。
②レイアウトの技術 情報構造がわかるようにする。
③説得の技術 
・因果関係を明確にする。(Aであるので→Bである。 「A」は真実か 「→」は真実か)
・正確な論理,読み手の視点(レベル)を意識する。感情を抑える。比喩を使う。疑問をなくす。

「文章を練る」とは,あらゆる状況を想定して,読み手の疑問をなくした上で,シンプルにわかりやすくまとめる作業である。

④センテンスの技術 
・センテンスを短くする。
・曖昧さをなくす。修飾節は短く,近くに。数値を使って具体的に。
・キーワードを作る。
⑤推敲の技術
・最終目的は何か。
・無駄はないか。(重複語,過剰な修飾語,不要な接続詞)
・自然な語感か。
・丁寧な表現か。

「他人を説得するのは,自分自身の道理によってできる。しかし他人を納得させるのは,ほかならぬ他人の道理によってでなければならない。」 ジューベール