カリスマ投資家の哲学

その57
 投資家バフェット氏は40年以上にわたり年平均20%の運用利回りをあげてきたカリスマである。アリスシュローダー氏の著書「スノーボール」の中でバフェット氏はこう語っている。
「独立した考え方を持っていなかったら、投資では成功しない。それに正しいか間違っているかは、他人が賛成するかどうかとは関係ない。事実と根拠が正しければ正しい。結局はそれが肝心なんだ。」
 バフェット氏は日々、新聞、株式や債券市場に関するニューズレター、上場会社の決算書を読み込む。事業報告の数字はほとんど頭脳に記憶されている。パソコンやインターネットはいっさい使わない。
バフェット氏は偶然でも結果がよければよいと考える人間ではないであろう。常に仮説をたてて予測し、何が一致して何が一致していなかったかを追い続けてきたであろう。地道な「仮説と検証」を繰り返してきたと思う。
もう一つバフェット氏の非凡な点は、周りの意見や雰囲気に流されない判断をするところである。凡人は他者と違う行動をとることに不安に感じ、大衆意見に流される。「逆張り」ではなく、裏づけのある独自の判断で行動する力には圧倒される。
 バフェット氏から学ぶことは、判断を他者に委ねない。納得できるまで自分の手で徹底的に調べつくし、考えつくさないと本物にはなれないということである。その道で一流になるためには、「仮説と検証」を繰り返し、そのレベルを上げていくことだと思う。